「やっぱさ、もうちょっと“面白く”してよ。」 Web制作プロジェクトも終盤に差し掛かったある日の午後、社長からのたった一言が届いた。 それは、デザインも構成もほぼ完成し、あとは公開を待つばかり…そんなタイミングだった。 社内チームと制作会社が何度も打ち合わせを重ね、方向性もトーンも「これでいこう」と決めたはず。 しかしその言葉は、まるで巨大なリセットボタン。制作の歯車は突然逆回転し始めた。 この話、実は珍しいことではない。企業のWeb担当者なら一度は経験があるかもしれない。 トップの“ひとこと”が、チーム全体に与える破壊力。その現場で何が起きたのか?? 少し笑えて、でもちょっと切ない「制作あるある」を、リアルな目線でお届けしよう。
プロジェクト始動:「ウチのホームページ、そろそろ変えようか」
きっかけは、社内の営業担当が漏らしたひとことだった。
「ウチのサイト、ちょっと古くないですか?」
確かに、スマホ対応も甘く、競合他社と比べると見劣りする部分もある。そこで動き出したのがWebリニューアルプロジェクトだった。
社内では、広報と情報システム部、営業の一部がタスクフォースとして招集された。
要件定義、ターゲット設定、ページ構成案の策定……と会議が続く。制作会社も決まり、ワイヤーフレームやトップページ案も着々と仕上がっていった。
社長には要所要所で確認を取りながら、「この方向で進めます」と全員が認識していた——そのはずだった。
突然の一言:「もうちょっと“面白く”してよ」
デザイン初稿が仕上がり、役員陣へのお披露目ミーティング。
静まり返った会議室で、社長が一言ポツリとつぶやいた。
「……うーん、悪くないんだけど、やっぱさ、もうちょっと“面白く”してよ」
その瞬間、プロジェクトチーム全員の顔から血の気が引いた。
「面白く」って何?
インタラクティブに? 漫画風に? 動画を入れる? それとも語り口を柔らかく?
これまで積み上げてきた設計と方向性が、一言で宙ぶらりんに。
それまで明確に「信頼感」「清潔感」「分かりやすさ」を軸に進めていたのに、
“面白さ”という曖昧で抽象的なテーマが急に現れたことで、企画は混乱。
制作会社も困惑し、「どのような“面白さ”を求めているか具体例を……」とヒアリングを重ねたものの、社長の回答は「なんとなくもっとワクワクする感じで」。
全社巻き込みのリセット劇:混乱の中で立て直しへ
社長の「面白くして」という一言を起点に、プロジェクトはほぼゼロベースでやり直しに。
それまで半年かけて進めてきたコンセプト、構成、デザイン、すべてが再検討対象に。
社内では次第にギクシャクした空気が漂いはじめる。
- 「この期に及んで、また方向転換?」
- 「納期、どうするの?」
- 「もうデザイン案、5つ目なんだけど…」
担当者は疲弊し、外注先との関係もピリついていく。
“面白さ”とは何かという哲学的テーマに向き合いながら、
再び要件定義とクリエイティブ方針のすり合わせが行われた。
結局、社長自身を巻き込んで「何が面白いのか」を具体化するワークショップを実施することで、ようやく方向が定まる。
やり直しによって工数もコストも倍増したが、最終的には社長の満足いく形に着地。
チーム全員の消耗とともに、サイトはようやく公開された。
トップの言葉はプロジェクトをひっくり返す
このトラブルから得られた最も大きな学びは、「トップのひとこと」にはすべてを覆す力があるということです。
どれだけ段取りを整えても、社長や経営層の「やっぱこうして」が一言あれば、全体の進行も、空気感も、すべてが変わる。
特にホームページのような「目に見える成果物」には、感覚的な評価が持ち込まれやすいため、
「なんか違う」「もっと面白く」など、抽象的な指示が最後の最後に飛んでくることも少なくありません。
対策としてできること
初期段階で社長の関与を強める
Web制作の現場でしばしば起こるのが、ある程度進んだ段階で社長や役員など、プロジェクトにおいて最終的な決裁権を持つ人物が突然登場し、方向性を大きく変えてしまうというケースです。「最初から言ってくれれば…」と思っても後の祭り。こうした事態を避けるためには、プロジェクトの初期段階、できればキックオフ時点で、社長の意見を直接聞く場を設けることが不可欠です。現場担当者や広報の判断では見えない“経営目線のこだわり”や“社内政治の力学”が、そこで浮かび上がることもあります。担当者にとってはプレッシャーに感じられるかもしれませんが、「トップの方のビジョンを直接共有いただけると精度が上がります」といった前向きな伝え方をすれば、拒否されることはあまりありません。仮に初期段階での同席が難しい場合でも、「制作中の確認事項のうち重要な項目だけは、社長にエスカレーションしてもらう」ようルール化することで、後戻りのリスクを最小限に抑えることができます。
「面白い」とは何か?を言語化する
「やっぱりもっと面白くしてよ」という言葉は、Web制作の現場でたびたび聞かれる“鬼門ワード”です。意図としては悪くないのですが、受け手にとっては非常に曖昧で、誤解やすれ違いのもとになりやすい表現です。このような抽象的な指示が飛び交う場面では、具体的な言葉への“翻訳”が重要になります。「面白い」とは動きが多いことなのか、色彩がポップなことなのか、それともコピーがユーモアを含んでいることなのか。判断の材料となるイメージの共有や、「これは面白い」「これは違う」といった過去事例のすり合わせを行い、感覚的な表現をデザインや文章に落とし込めるレベルまで“言語化”しておくことが、プロジェクトの安定に繋がります。また、「面白さ」には必ずターゲット視点が関係します。「誰にとっての面白さか?」という問いを明確にしておかないと、ただの内輪ウケや感性の押し付けになり、成果物が空回りしてしまうのです。
大幅な方針転換時の影響範囲を伝える
プロジェクトが佳境に差しかかった段階で、「やっぱり、最初から方向性を変えよう」という声が挙がることがあります。特に、経営層が途中から関与し始めた場合や、外部の第三者(例えばコンサルやパートナー企業)からのコメントがあった場合に、このような事態は起こりがちです。こうした場合、単に「承知しました」と応じるだけでは、制作チームが疲弊し、プロジェクトのコストと納期が破綻してしまう可能性が高いです。ここで重要なのは、「この変更によって何が変わり、どんなリソースが追加で必要になるのか」を具体的に数値化して冷静に説明することです。たとえば、「ここを修正するには全20ページのデザインを再調整する必要があります」「ライティングのトーン変更には再インタビューが必要です」など、現実的な影響を提示することで、相手に再考を促すことができます。納期やコストの話を出すのは気が引けるかもしれませんが、それがプロとしての責任であり、結果的にプロジェクトを守る行動となります。
議事録や確認書をこまめに残す
Web制作では、関係者が多く、意見も頻繁に変わるため、「言った・言わない」問題が頻発します。特に経営層の言葉はインパクトが強く、その場では納得していた内容が後になってひっくり返される…というのも“あるある”です。このようなリスクを避けるためには、打ち合わせのたびに簡単な議事録を残し、共有・保管しておくことが非常に重要です。ポイントは、“全体の流れ”ではなく、“誰が何を了承したか”を記録すること。「●月●日のミーティングにて、●●社長より◯◯案で進行の承認をいただきました」といった表現で残しておくことで、後のトラブルを未然に防ぐ強力な証拠になります。また、最終確認の際には「この内容で公開してよいか」を文書(またはメール)で確認し、社内での承認フローをクリアした状態を明示することが信頼構築にもつながります。ちょっとした記録と手間が、大きな混乱を防ぐための“保険”になるのです。
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